
サイカイ
第2章 つまり子供をつくらなきゃいけないんですよ
「とりあえず、ついて来い」
彼が私を傷つける気がないのはなんとなく分かったけど
誘拐犯かもしれない人について行きたくはなかった
『イヤです』
すると彼は少し固まってしまった
末に私を肩に担ぐと走りだしたのだ
『キャー、無理無理‼
高い!怖い!おろしてー!』
私の悲鳴は部屋と同じく真っ白な廊下に響いただけだった
私が諦めて大人しくなったころ
彼がどこかの扉を開けたようだ
「こらこら、サクヤおろしてあげなさい」
優しそうな声がした
おそらくこの声の人が、キングと呼ばれた人なのだろう
すいません、初対面がお尻で…
