
サイカイ
第5章 サクヤ目線
「とりあえず、ついて来い」
『イヤです』
断られた…
あぁ、女ってのはこんなにも面倒なものなのか?
弱いくせに頑固
未知の生物
観察対象としては面白いのかもしれないが、繊細に扱う系は苦手だ
はぁーめんどくさい
『キャー、無理無理‼
高い!怖い!おろしてー!』
シオンが騒ぐ
俺が担いだからだ
これなら傷つけずに無理矢理連れて行けるからな
良い考えだと思う
執務室の扉を開ける
キングは椅子に座り珍しく護衛も付けずに一人でいた
「こらこら、サクヤおろしてあげなさい」
キングに言われて既に大人しくなっているシオンをおろす
少し青ざめているように思う
「すいませんね、サクヤは少し荒っぽいところがありまして
私はアルシュといいます」
キングとシオンが話しだした
流石キングと言うべきか
「君はね300年ほど眠っていたんだよ
死んでしまわないように保存されてね」
300年…
それもまだ推測だがな、もしかしたらもっと前かもしれん
「それでね、ハッキリ言ってしまえば君には子供を産んでほしいんだよ」
シオンは見ても分かるほど困惑していた
