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君がいるから

第1章 タレ目ちゃん

「んー悪りぃ…今日は…やめとくーごめんねー」
「そっか…じゃ、またね」

帰りにどうしてもキミと話したくて
松潤の誘いを断った

『以上です!お疲れさまでした!!』

収録が終わり、真っ先に隅っこのキミを探す

何かを必死に書いていて
少しずつ近づく俺にまた気づいていない

壁を背中にして隣に立ち
「驚かないで…」と声をかける

「こっちも見ちゃダメ」
「え?」
「そのままで…言うから…書いて?」

そう言って
小さな声で俺の番号を伝える

「仲良くなりたいな…」
「あの……」
「松下さんの番号…そのメモに書いて?」

しばらく沈黙があり
カサカサと紙を破る音がした

横目で手元に視線を落とすと
メモを持つ小さなキミの手が見えた

「ありがと♪帰ったら電話するよー」

そう言ってメモを奪い
俺はその場を小走りで離れた

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