
無防備に恋をした僕ら
第2章 それでよかった
「ねぇ、いっちー。いっちーていつも凛くんといるよね」
そこそこよく話す同じクラスの女子から、まさか凛の名前を聞くことになるなんて思ってもなく、俺はぎこちない返事をしてしまった。
「へっ?凛?…うん、いるよ。それが何…?」
「普段どんな話するの?」
「…どんな、って…俺が一方的に話してる感じだけど、趣味の話とか」
…なんなんだろう。この落ち着かない感じは。
「凛くんって何が好きなの?」
「……ねえ、ごめん。なんでそんなに凛のこと訊くの?」
その子は、ぱっと下を向いて、頬をほんのり赤くさせて言った。
「わたし、凛くんのこと好きなんだ」
