
無防備に恋をした僕ら
第2章 それでよかった
朝。凛が制服を取りにきた。
そのときの凛を見て、俺はしまったと思った。
制服を受け取って、俺の服を返してさっさと帰ってしまった凛。
たぶん、気まずいんだと思う。
「……あああっもう!」
しゃがみ込んで、頭をぐしゃぐしゃかく。
後悔しても遅い。けど、どうしても我慢できなかったっていうか、焦ってた。
凛は俺がモテるっていうけど、たしかによく告白されるけど、俺は凛だってモテると思う。
たまに、凛のことをよく見てる女子もいるし、この前だって…好きだってはっきり言われちゃったし。
凛はたぶん、容易く告白できない雰囲気を持ってるんだと思う。
好きだと思っても、告白はできない、みたいな。
近寄り難いオーラがあるのかな。
……俺にとってはそれが有難いんだけど。
