
無防備に恋をした僕ら
第2章 それでよかった
「それはないかっ!だってふたりすごく仲いいもんね。どうしたらケンカになるのかわからないくらい」
それを、俺が壊してしまった。
「ねえいっちー、ちょっと頼みがあるんだけど…いい?」
「頼み?」
「今日の放課後、凛くんを屋上に呼び出してほしいの」
逢沢は、照れながらそう言った。
俺は、そう言われたとき考えてしまった。
凛は「普通」なんだ。俺みたいに男が好きなわけじゃない。だから、凛には普通の恋愛のほうが幸せに決まってる。
女の子と、幸せになってほしい。
で、俺のことなんて、忘れて…、
「わかった」
「ほんと!?ありがとうっ」
