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無防備に恋をした僕ら

第3章 最後の言葉にさよなら



昼休み。俺は重い足取りで屋上に向かった。
教室に逸留はいなかったから、きっともうそこにいるんだろう。

ドアノブを捻る。キィーという音をたてて、空が顔をのぞかせた。

そこに立つ、逸留。


「……凛」

「っ、」

見つめられて、名前を呼ばれるだけでもこのザマだ。
きっと今、俺はひどい顔をしていると思う。


「話しようと思っても、目も…合わせてくれないから、呼び出した」

「……うん、」

「まず、俺…凛に謝らなきゃいけない。ごめんっ…」


びっくりした。逸留が、バッと頭を下げた。


「待って、逸留っ…謝らなくて、いいから」

「でも俺っ、ほんと…凛の気持ちも考えずにあんなこと、」





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