テキストサイズ

無防備に恋をした僕ら

第1章 僕はひどく欲張りで


「はい、凛これ好きだろ?」

「ん、さんきゅ」


飲み物を受け取り、ひとくち飲んだ。
そして、逸留に問う。

「なあ逸留、見せたいものがあるって言ってたけど…」

「…ああ、それ、嘘」

「…え?」

「口実を作らないと、部屋に呼べないからさ」


口実?…よく、わからない。


「…凛」


逸留に、小さくそう呼ばれる。
普段と違う、真剣な表情だった。

逸留の顔が、近づいてくる。
戸惑う暇もなく、唇どうしが触れた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ