
無防備に恋をした僕ら
第1章 僕はひどく欲張りで
しばらく触れるだけのキスをして、唇を離した逸留が言う。
「足、つらくない?ベッド…行く?」
「え…っと、」
たしかにさっきから足が震えて、うまく立てそうにない。からといって、ベッドってっ…
「凛、ここ座って」
逸留がベッドの端に腰かけて、自分の膝に座るよう促してきた。…って、え?俺が、逸留の膝に座れって?そんな、恥ずかしいことできるわけない。
「…凛?」
「…っや、あの…」
「恥ずかしいの?」
核心をつかれ、顔が熱くなる。たぶん、絶対赤い。
逸留はそんな俺を見て、ふっと笑った。
「こんなことで恥ずかしがってちゃダメだよ?これからもっと恥ずかしいことするのに」
「…っ逸留、やっぱり俺っ…」
「……ふーん」
逸留は後ろに両手をついて、俺を見上げる。そしてすっと立ちあがった。
「じゃあいいよ。やめる」
俺の横を通り過ぎて、部屋のドアへと向かった。俺はとっさに逸留の服の裾をつかんでいた。
