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サンタの足音

第4章 真相編 一

次の日、私は電話をして、当時まだ地元に暮らしてホステスをしていた、中学以来の友人Fに連絡を取った。私に例のホテルを教えてくれた女性だった。電話口でFはまだ眠そうな声をしていた。

「わるい、君にとってはまだ夜だった。元気?いま帰省してきているんだけど…」

と月並みな挨拶を交わした後で、本題に入った。

「あのホテルについてなんだけど…」

「あんた知らなかったのっ?そっか北海道に住んでるんだもんね…」

Fは急に、驚きのこもった調子で話し出した。目も覚めたようだった。彼女の弁によるとおよそ次のようなことが、あのホテルで起こった。

それを聞いて私は、ホテルに空きが多かったのは、クリスマスという季節外れの趣向ばかりが原因ではなかったのだと思い直したものだった。

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