男子高校生が描くエロゲー
第1章 家族と俺
『ガチャ』
本格的に降ってきた雨に慌てながら走った俺。
帰った頃には辺りは真っ暗で、雨で言葉一つ聞こえやしないほど降っていた。
「おーいサヤカぁ?」
ビショビショの俺は妹のサヤカにタオルを頼もうとするが、返事がない。
いつからか俺は思春期に入り、
おはよう、ただいま、いただきます、おやすみ、こんな挨拶すらもしなくなった。
そんな俺が嫌だったのか、サヤカや母さん、弟の勇人も俺が帰ってきてもおかえりを言ってくれなくなった。
「はぁ…」
ビショビショのまま家に上がることはできない。
しかたなく、携帯で妹に電話をかける。
この時間帯は母さんはパート、弟は部活で、妹しかいなかった。