記憶のカケラ
第7章 別れと…
――――次の日
亜梨紗と元々商店街の本屋に教材を買いに行く約束をしていたので二人で朝から出かけた。
いつも通りに2人乗りをしてたら亜梨紗が静かにつぶやいた。
「…遼。昨日はありがとね。傍にいてくれて、何も聞かないでくれて、…ちゃんとわかっててくれて。」
顔は見えなかったけど表情はわかる…。
「おぅ。ごめんな…傍にいるしか出来なくて...」
最後の方は声がかすれる。
消えかかった声だったけど亜梨紗にはちゃんと届いてて、
「それだけで十分なんだよ…。」
と言って、俺の肩にのっけていた手にぎゅっと少しだけ力を込めた。