記憶のカケラ
第3章 勇気
「えっ!なに急に」
なんとなく焦って顔を隠す。
「いやぁなんとなく気になってさぁ。仲いいんだけど2人して幼なじみって言い張るから。」
笑いながら話す葵。
「だってフラれちゃったら恐いじゃない。そう思うとなかなか…ね。」
そうかぁと息をつきながら私には聞こえない声で葵は
「本人より周りのが見えてることもあるかぁ。」
とつぶやいた。そして立ち上がり、
「じゃまぁ頑張って!私は部活行ってくるわ。」
と教室を去る。私は亜梨紗の後ろ姿に
「部活頑張ってねっ!」
とだけ叫んだ。