記憶のカケラ
第5章 非日常
9月も半ばのある日。
俺達はいつものように学校へ行く。
今日はいつもと違って空が黒かった。
いつも通り2人乗りをしながら亜梨紗が不安そうにつぶやく。
「空…嫌な色してる。空気もあんまり好きじゃないなぁ。」
俺は亜梨紗ほど空気に敏感ではないからそうかぁ?なんていいながら首を捻る。
「お父さん、今日は船お休みしてるといいけど。」
「雨降ってないし、風があんまり強くないから大丈夫じゃないか?」
亜梨紗の不安とは対象に俺はそんなことをいう。
俺の言葉に安心したのか、亜梨紗は自分にいいきかせるように
「そうだよね。」
なんて言った。