記憶のカケラ
第5章 非日常
ドアも開けっ放しで母さんは電話を取りに出ていった。
「ほんとに大丈夫か?」
俺は亜梨紗のおでこを触りながら尋ねる。
「そんなに熱もないし大丈夫だよ。」
亜梨紗はそういうけどやっぱり心配になってしまう。
「ふふっ。」
そんな俺の心配とは逆に亜梨紗は笑う。
「?」
「ごめんね。心配かけといて申し訳ないんだけど、遼が心配してくれて嬉しいなって思って。」
俺は俺も熱が出るんじゃないかと思った。
顔が赤くなったと自分でもわかるくらい体温があがる。
思わず手で顔を隠す。
「亜梨紗それ不意打ち...」
「ふふっ。」