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記憶のカケラ

第5章 非日常

俺は1階に降りてリビングにあるソファーに母さんを座らせる。
俺はダイニングテーブルに肘をついて座った。
あとからすぐに杏奈も降りてきて俺の隣に座る。

「遼っ!あのまま亜梨紗を一人にしていいわけっ?!」

杏奈が怒るのはもっともだ。
俺だって亜梨紗を一人にしていいとは思ってない。
でも亜梨紗がそれを望んだから...。

「…わかってる。ちゃんとあとでいく。でも…今は多分一人で考えたり…泣いたりしたいんだと思う。」

「…。」

杏奈は何も言わなかった。
俺は立ち上がって母さんのそばに行く。

「…母さんっ。大丈夫か?」

「あっ…遼..。うん…こういうときこそしっかりしなきゃね。」

そうは言っていてもやっぱりどこかうつろな目をしてた。

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