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記憶のカケラ

第5章 非日常


しばらくしてノックの音がして遼が入ってきた。

「…。」

遼は何も言わなかった。
ただ私の潜り込んでるベットによっ掛かって床にどかっと座った。

「…遼」

遼を呼ぶと決して振り向かずに遼は

「なんだ?」

と返事をした。
なにも聞かない。なにも言わない。
今はそれが一番有り難かった。

「…うっあ…うぅっ。」

私は涙をぼろぼろこぼす。
不安で堪らなかった。

「…遼っ。ううっ」

ただひたすらに泣いた。



涙って枯れないんだね。
知らなかったよ。

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