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記憶のカケラ

第6章 悲しみ


程なくしてすぐにおじさんとおばさんがやってきて、みんなですぐに船に乗った。
おじさんはずっと緊張した顔をしていた。
おばさんは泣いていた。
それから

「亜梨紗。」

そう優しく私の名前を呼んで抱きしめてくれた。





船で本州に着いてからはすぐに病院へ向かった。
白くて大きな病院。
受付で看護婦さんたちが

「この度はほんとうにお気の毒に」
とか
「ご冥福をお祈りいたします」

なんて言われた気がしたけど、そんな言葉はひとつも響いてこなかった。

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