記憶のカケラ
第6章 悲しみ
それからこれからお葬式の話とかをすることになっておじさん達にかわりに聞いてもらった。
私、遼、杏ちゃんは先に病室の外にでた。
病室の外にあったベンチに何も言わずに3人とも座った。
「あの~…。」
急に知らない人…患者さん?に話し掛けられた。
「もしかしてあの病室の方のご家族さんですか?」
そういって両親の病室を指差す。
「そうですよ…。」
「そうでしたか。実は…私はあなたのご両親に助けられたうちの一人なんです。」
そう言われてその人をよく見てみる。
私より少し上ぐらいの女の人だった。
「ご挨拶が遅れてすみません。私は秋山 幸(あきやま さち)といいます。少しだけお話聞いていただけませんか?」