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記憶のカケラ

第6章 悲しみ

「幸さん。そんなに謝らないでください…。両親が亡くなったのは寂しいし…辛いけど、2人が助けた人がいて…生きていてすごくうれしい。
だから幸さんは2人の分も幸せになってくださぃ。幸さんがそんなに気にしてたら…きっと2人とも天国へ行けないから…。
それにね、幸さんが会ってくれなかったら何も聞けなかったしピアスもなかった…。だからわざわざ会いに来てくれてありがとうございます。」

「そんな…お礼を言うのもこちらなのに…」」

それから私は手にあるピアスを見つめた。

「それと、このピアス半分は幸さんに持ってて欲しいです…。」

「…?!それはお母様のですよ?」

幸さんはびっくりしたようで目を見開いた。

「はい…だからです。これは母があなたへ預けたものでしょう?お守りに。だからあなたが幸せになるまで持っててください。
幸せだと感じられたらそれ渡しに来てくださいね。私もそれまで精一杯生きますから。」

迷いはなかった。お母さんの言葉を代わりに守りたかった。
幸さんはありがとうとごめんなさいという言葉を繰り返した。

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