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三日月の夜に

第2章 猫との暮らし

星夜も、花織に捨てられるという不安は、忘れていた。

しかしまたやり直せるという期待も持ってはいなかった。

夫婦間のことは、何も気にならなくなっていた。


猫というのは、こんなに人の心を温め満たすことのできる生き物だったなんて。


花織も同じように感じていたのか、星夜にはわからなかった。

花織は、次第にうちにいることが少なくなっていた。

店で残業しているわけでもない。


通勤するだけにしては、念入りに身仕度をしているように思えた。

星夜は、ルナが来たことで気分が幸せになったせいで、オシャレしてみようという気分になったのだろうと考えていた。

ルナは、幸福の女神だ。

ルナが、さめていた夫婦に温かいやすらぎをもたらしたのだ。

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