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三日月の夜に

第1章 猫がきた。

星夜は、ひそかに妻の花織に憧れているだけだった。

それまで女性とは交際した経験もなかったのだ。


花織は星夜が自分とは違うタイプだったので気になり、積極的に話しかけ、デートに誘い、告白して、二人の関係はスタートした。


二人は仕事ぶりや価値観、好みが全く違い、こういう人間がいるんだ!と、お互いにとても新鮮だった。


ずっとずっと、一緒に生きていくのだろうな。


漠然とそう感じていた。


こういうのを愛というのだろう。

お互いにない部分を補いあって、成長しあえる関係は、夫婦として理想的だ。

星夜の中には、迷いもあった。

しかし積極的な花織にはためらいはなく、プロポーズしたのも花織だった。

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