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三日月の夜に

第3章 疑惑

「何言ってるの…あなたは、ルナがいなくなってショックなのよね?だから、そんなことを…」


花織はいそいそと寝室へ行ってしまった。


星夜は、後悔した。

そんなこと言うつもりじゃなかった。


だけど、妻は何か隠している。
それだけははっきりわかった。

別にいいんだ………。

好きなように出て行ってくれても、他の男がいたって。

もう僕たちの愛は、終わってしまっているんだ。


星夜はカーテンをしめようと窓に近寄った。

そういえば、あの女性は誰だったんだろう。

人の家の敷地に勝手に入り込んで、怪しいといえば怪しいのだが、あの美しさは、この世のものではない。
人間とは思えなかった……。


いつしか星夜は、彼女のことばかり思い出すようになっていた。

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