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三日月の夜に

第4章 淡い恋心

花織が、ふいに帰ってきた。

星夜とルナを見たが、何も言わなかった。
その表情からは、何を思っているのかうかがい知ることはできなかった。

「あ…………」

星夜は何か言いたいのかどうなのか、自分でもわからなかった。
何か言わなければならないだろうか?

しかし、言葉は出てこなかった。


「着替えとりに着ただけだから」

花織が言った。


星夜はうつむいた。

花織はクローゼットへ行ってしまった。


星夜はただルナをなでていた。

自分は、何か期待していたのだろうか?例えば、花織が自ら帰ってきたとか……やっぱり星夜のそばにいたい、とか………

それとも………………

離婚届を持ってきたとか。


自分は、どうしたいのだろう。

花織とやりなおしたいのか、別れたいのか。

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