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三日月の夜に

第4章 淡い恋心

花織………?


ふりむくと、彼女がいた。

一晩泊まって、翌朝には姿が消えていたあの女性が。


星夜は立ち上がった。

「君は…………!」

彼女は相変わらずミステリアスな微笑みをたたえていた。


星夜はその手をとり、ソファにいざなった。

「また、会えたね…」

彼女は優しくほほえんで、うなづいた。


星夜はソファから降り、彼女の前にひざまづき、両手をとった。

「このまま………どこへも行かないで。………僕のそばに、いてほしい…」

彼女は、寂しそうになった。


「ごめんなさい。わたしも、そうしたいのだけど…」


もう、離したくない。

ずっと、永遠に。

どうしたら、彼女をひきとめられるんだろう。

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