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三日月の夜に

第4章 淡い恋心

花織が、新人薬剤師の若い男と激しく抱き合っていた……………


年上の女性に憧れる若い男性が言い寄って無理矢理にせまった感じではなかった。


もう何度もそうしたことがあるように、密接に絡み合っている二人は、とても官能的だった。


花織は積極的な女性だったが、こんなに色気があったなんて、星夜はこれまで知らなかった。

自分と愛し合う時とは、違っていた。


あんなに情熱的に、あんなに官能的に………。ただの惰性ではなく、心から求めているように。


相手の男性が、星夜に気がついた。

急にこわばった態度になったことに花織が気付き、ふりむいて星夜を見た。


星夜は、胸に電撃を受けたような感覚がした。

こんな所をのぞきみする趣味のある変態とは思われたくない。そんな噂を広められたら、やっていけない。

それに、邪魔をしてしまってとても申し訳がなかった。

星夜は何も言えず、どうしていいかもわからず、その場を立ち去り、開店準備をすることにした。

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