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三日月の夜に

第4章 淡い恋心

花織が、一人で星夜に近付いてきた。


「ねぇ…………」


「ああ、おはよう。早いね?」

星夜は、何事もないように答えた。

これでいいんだ。問い詰めて何になる。


「あの………わたし……ごめんなさい…………わたし……」

星夜は笑顔で手をあげて言葉を制した。


言わなくていい。
何も言わなくて。

言い訳なんて、しなくていい。

君が悪者になってしまうから。


もう愛してはいないけど、最後まで君を守らせて。


「帰ったら、話そう」

星夜はなるべく爽やかに言った。

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