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花織には好きな人がいると言ったし、それも事実ではあった。


しかし、その女性と再婚するなどという希望は少しも持ってはいなかった。

彼女はあまりにも人間離れしていて、とてもそういうことが想像できなかったし、何より、思いあっていても結ばれることはできない壁のようなものを本能的に感じていた。


星夜には、１つだけ思い当たることがあった。


彼女があらわれるのは、決まって三日月の夜だ。


そしてどういうわけか、必ずルナがいない夜なのだ。


ルナは、彼女のことを何か知っているのかもしれない。

知っていたとしても、星夜には聞くことはできないのだが。


でも何らかの関係はあるに違いないと、星夜は確信していた。


もう、星夜を縛るものは何もない。

思うままに、突き進んでかまわないのだ。

どういう結果になろうとも。