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三日月の夜に

第6章 愛のために

「今日は、君に渡したいものがあるんだよ」


星夜は、この日のために用意していたシルバーのペンダントを差し出した。クリスタルのトップがついている。

それを彼女の首にかけた。

シルバーとクリスタルの輝きは、彼女の月のように輝く白い肌によく似合った。


「やっぱりよく似合うね」

星夜は嬉しくなった。

彼女もとてもはしゃいで喜び、ソファに座っている星夜の膝に飛び乗った。


子供っぽい感情表現なのに、なぜか色っぽい。なんて官能的なんだろう。


星夜は、その長い髪をなでた。


「君はまた……いなくなってしまうんだろ…」

彼女は一変して、悲しそうな目をした。

「心は、離れていかないわ……ずっとあなたのそばにいる」


その言葉は、やはり一晩でまた消えてしまうことを告げていた。

いや、もう気にするのはやめよう。


たとえ一瞬でも、こうしていられるのなら、それでいい。

二人は強く抱き締めあった。

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