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三日月の夜に

第6章 愛のために

彼女は、ベンチの横に倒れていた。


星夜はかけよって彼女を抱き起こした。


「君だったんだ……君は、ずっとそばにいたんだね……」

彼女は驚いたような顔をした。


「もう、一緒にはいられません……わかってしまったら…永遠にあなたのそばに、いたかった…………」


「ごめん。こんなことをして、知ってしまって。だけど僕は、君を失いたくはなかった。毎日毎晩、君といたかった……」


星夜は必死に言った。


「驚かないの?わたしが何者なのか、怖くないの?」

彼女は不思議そうにたずねた。

星夜は彼女をだきしめた。


「だって、君は君だから。何者だって、かまわないんだ」

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