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三日月の夜に

第6章 愛のために

彼女は少し苦しそうに呼吸を乱したが、また話し出した。


「あなたを一目見た瞬間から、あなたの虜になりました………もう一瞬も、あなたを忘れることができなくなって………毎日毎日、あなたを見つめていました。決して結ばれることのない憧れでした。」

二人は見つめあった。

無意識に、手をつなぎあっていた。


「そんなある日、あなたにみとれていて危うくひかれて死んでしまう所を、あなたが助けてくれました。あなたはそのままわたしを連れて帰りました。わたしは、あなたの近くで暮らすことになって、もう我慢ができなくなったのです……それで、魔法力の一番強くなる三日月の夜にだけ、人間の姿になってあなたの前にあらわれたのです」

星夜は、離さないと決めたかのように、彼女を強く抱き寄せた。

「もう行かないと………………」

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