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三日月の夜に

第6章 愛のために

「ケットシーと人間が“1つ”に結ばれる時。ケットシーはその魔法力を相手の人間に注ぎ込むことができるのです。つまり、その力によって、人間は猫の姿になり、ケットシーは魔法を失って普通の猫になる……二人は猫として、永遠に同じ種族として一緒にいることができる………」


人間ではなくなり、猫として生きる。



星夜には、迷いはなかった。

彼女といられるのなら、人間でいることに未練などない。

彼女を手放して人間として生きる方が、どれだけつらいか。


「でも……君は、かまわないのか?ケットシーの仲間の所に、ご両親の所に、戻れなくなるんじゃないか?君がかまわないと言うなら、僕には迷いなど、一切ない」

彼女の目から、ダイヤモンドのような涙がこぼれた。


「ええ……一目あなたを見た時から、こうなったらいいとずっと覚悟していました。でも、でも…あなたは絶対にそれを選択しないだろうと……」


星夜は、口づけをした。

「もう何も言わないで……さあ、一緒になろう。愛しているよ……」


二人は、夜の公園の茂みで、結ばれた……………

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