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頑張れ!山田君

第1章 日曜日の朝

タオルで、出来るだけ拭いて、ドライヤーで、髪を乾かした。

「うん!…なんとか大丈夫だな。」

本当なら、断水が終わる11時まで家に居たいんだが、今日は、会社の同僚の女の子との初デート。

待ち合わせに、遅れるわけにはいかないので、仕方なく、このまま出掛ける事にした。

駅に向かって、歩いていると、前方から恐そうな男が歩いて来た…

チラッ…と見ると、スキンヘッドの髭面で、ガタイも良く、恐っ!って感じの男だった。

その男が、僕の方を見ている……
じゃない!…僕を見ている…
えっ?なんで?…まだ見てるよぉ…
あっ!?こっちに向かって来る!?
ヤバいなぁ…マジかよぉ……

うわっ!もう目の前だよ!スゲー見てるし…殴られる!?……

えっ?…ウ…ウインク?…ウインクされた…?
えぇぇぇぇぇ!…ホモかよぉぉぉ!!

朝はニューハーフで、今度はホモかぁ…
なんだかなぁ…

あっ!…雨が降ってきた!
突然雨が降ってきたので、僕は駅へと走った…

「フウゥゥ…やっと駅に着いた…」

彼女が来るのを待っていると、女の人が何かを落とした…
ん?定期入れ?…それを拾い…

「あの〜…これ落としましたよ。」

「え?…あっ…ありがとう…ございま…す…」

なんだよ?せっかく拾ってやったのに…あの態度…なんか愛想なかったな……

それから1〜2分して、彼女がやって来た。

「山田君。遅くなってゴメンね。」

「大丈夫(笑)俺も今来たところだよ。」

「って(笑)…何?その頭(笑)…」

「ん?頭?…俺の頭がどうかした?」

「どうかしたって…なんで泡だってるの(笑)…」

「泡だってる?」

彼女に言われて頭を触ると…

ヌルッとした感触が…

「あぁぁ!!」

「シャンプーだ!!マジかよぉ…!」

「いやっ!…今日断水なの知らなくて、朝頭洗ってる途中で、水が止まったからさ〜!洗い流さないで乾かして来たんだよね。」

「で…途中で雨降って濡れたから…」

「もぉぉ!最悪だよぉぉぉ!」




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