テキストサイズ

運命に導かれて

第2章 結婚相手を探して

オルフェウス王子は、お城の自室に戻った。


あの女のことを思い出していた。


あの目。

透き通った純粋な、汚れのない瞳だった。

貧しい暮らしをしているのに、どこか気品さえ漂い、まるで会ったことのある懐かしい知り合いのような気さえした。


あんなに美しいのに。


あんなに悲しい雰囲気をして……。

一体、彼女はどんな目にあって生きてきたのだろう。


全身から、救いを求めていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ