テキストサイズ

運命に導かれて

第2章 結婚相手を探して

翌日、ディアナは歩いて病院に向かった。


美しさのためと、ボロボロの服装のために、全員が振り返った。


ディアナは毅然と歩いた。


病院に着くと、母を連れて帰りたいと申し出た。


偉そうな看護師が出てきた。

「それはできません。オルフェウス様からのご指示で、連れ出すことは禁じられているのです。」


「えっ…!」

看護師は、疑わしそうな目でディアナを見た。

こんな身分の低いいかにも娼婦という女が、なぜオルフェウス様と関係があるのか、と訝っているのだ。

ディアナはひるまず、看護師から視線をそらさなかった。

「あの…オルフェウス様って、そんなにお偉い方なんですか?」


「ご存知ないんですか!!!」

看護師は、非国民とでもいうような声を出した。


「いえ、あの……わたし、そんな方にここまでお世話になれるような身分ではありません。だから………」

「いいえ、なりません。どのようなお知り合いかは知りませんが、オルフェウス様にここまで待遇されて、その好意を放棄するだなんて、できるはずがありませんよ!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ