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運命に導かれて

第2章 結婚相手を探して

やはりオルフェウスとは会えなかった。

というより、彼が具体的にどこにいて、あそこなら確実に会えるという場所も知らなかったディアナには探すすべがなかったのだ。


母親を退院させることもできず、お礼もできず、ディアナはただ毎日歩いて病院まで見舞いに通っていたが、母親の意識は戻らない。


3日ほどたったある日のことだった。


朝起きてドアをあけると、そこに贈り物のような箱が置いてあった。


不思議に思いながらあけてみると、女性ものの靴だった。

ちょうどディアナによく似合いそうなデザインだったが、とても高価そうだった。


よく見ると、カードが入っている。



『ディアナへ。いい靴をはいて、見舞いに通って下さい。美しいおみ足をいためてしまいますから』


ディアナははっとして、辺りをみまわした。

彼に違いない。

オルフェウス様が、ここまで来たのだ。

いや、毎日歩いて病院まで通っていることを知っているのだ。いつも見ているのだろうか?それとも病院関係者に聞いているのだろうか?

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