テキストサイズ

運命に導かれて

第2章 結婚相手を探して

オルフェウスはいつも、窓から外をながめて過ごすようになった。

病院はこのすぐ近くだ。

あの輝くような美しいディアナが馬車から降りればすぐにわかる。病院の入り口がよく見えるのだから。


しかし、ディアナは履き古してすりきれた靴をはいて、歩いてあらわれた。


女の子があの距離を歩いて通うなんて、とても大変なはずだ………。


オルフェウス王子の胸は苦しく締め付けられた。


設備のある病院へと思いここへ入れたが、母親をディアナからひきはなしてしまったのだろうか。

少しでも力になりたかったつもりなのに、逆に負担をかけてしまったのかもしれない。


しかし、あの病院でなければ母親は救われないだろう。


毎日送り迎えするなど、できるはずもない。

馬車を迎えに行かせても、きっと断るだろう。


せめて、足を傷めないような靴をプレゼントすれば、少しはいいだろうか?

オルフェウス王子は城の職人に、早急に女性ものの靴を造るように言いつけ、できあがると自らディアナの家の前に置いた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ