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運命に導かれて

第3章 甘い気持ち

オルフェウス王子は、ディアナたちと別れたあと自室に直行し、鍵をかけた。


ディアナは、あの靴をはいていなかった………………。

馬に乗せてエスコートしてくれる男がいるんだ………。


とてもとても、胸が苦しかった。

どうして、こんな気持ちになるんだろう。


あんなに美しい女性だ。

きっと、フィアンセとか恋人がいても不思議はないだろう。

そんなかと、当たり前なのに。


二人の姿を見た時、オルフェウス王子はとても悲しくなり、咄嗟にディアナを知らないふりをしてしまった。


職員に、“外側”のディアナとどこで会っていたのかと疑われたくはないし、ディアナに王子だと知られない方がいいとも思ったのだが、それよりも「親切にディアナを救っただけの人」にはなりたくなかった。

じゃあ、ディアナにとって、どんな男になりたかったのだろう。


ディアナの、「必要な人」………いなければならない人。他の人では代わりにならない人。一番近くにいてくれる人。

そんな人に、なりたかった。

でも、ディアナのそばには彼がいるんだ。

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