テキストサイズ

運命に導かれて

第3章 甘い気持ち

それからオルフェウス王子は、すっかり元気をなくし、部屋から出なくなり、食事もとらなくなった。


城のものたちはとても心配した。

王子はどこかが悪いのだと思い何人もの医者に診せたが、王子は健康だった。


もしかして恋の病ではないかと、最後の女医がお茶目に言った。


王と王妃は、なんだか嬉しくなった。


ついに王子が気に入る姫が見つかった。

どこの、誰だろう?


しかし、王子は絶対に誰にも口を割らなかった。

周りが騒ぐほどに、王子は悲しい気持ちになっていった。


ディアナが、この城に受け入れられるとは思えない。ただ“外側”に住んでいる、ただそれだけで。

そんな扱いをされる思いを、ディアナにはさせられない。


いや、そもそもディアナには別の人がいる………自分のものには、なってくれない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ