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運命に導かれて

第2章 結婚相手を探して

それから歳月が流れ、オルフェウス王子はもうじき30歳の誕生日を迎えるのだが、未だに妻を迎えていなかった。


王も王妃も、いつになったら孫が見られるのかとさんざんプレッシャーをかけていた。

様々な国から、姫との見合いの打診があった。


しかし、王子はどの話にも乗り気になれなかった。


心のどこかで、かつての許嫁のことを忘れていなかったのだ。


まだ子供だった。

愛していたなどということは全くないのだが、どうしても他の女性を妻に迎える気にならないのだ。


王にそう言ってみたこともある。


王も、やはり隣国の姫が失踪したことをまだ悲しんでいたので、気持ちはよくわかってくれた。


そういうことなら、気がのらなくてもお見合いだけでもしてみればいいと提案した。

実際に会ってみれば気持ちが変わるかもしれない。


そうして、二十歳を迎えた頃からたびたびお見合いをしてきたのだが、やはり決められなかった。

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