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運命に導かれて

第4章 秘密の恋

ミアキスは、外に出ると深呼吸をして落ち着いた。


自覚がなかったわけではない。

子供の頃から、ディアナのことがずっと好きだった。

まるで兄弟のように育って、だんだん大人になって、いつかはディアナをお嫁さんにしたいと願っていた。

ディアナも同じ気持ちでいると信じていた。


それなのに。


自分の独りよがりだった。


しかもとてもかなうはずのない、身分の高い相手だ。


ディアナほどの女なら、どれだけ低い身分だろうと、気にしない男は多いに違いないというのが、正直な所だった。


でも、自分の方がディアナをよく知っている。ずっと長く一緒にいた。

だまって譲るつもりにはなれない。


「君、ちょっといいかな。あの娘のことだ………」


突然、背後から話しかける男がいた。

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