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運命に導かれて

第4章 秘密の恋

こんなふうにして、二人は秘かに愛を育んでいた。

二人とも、とても幸せだった。

ずっとことままでもいいとさえ思っていた。



そんなある日、ディアナが病院に母親の見舞いに行くと、母親がうわごとを言っていた。

ついに目覚めたのだ。

ディアナは母親に駆け寄り、手をとった。


「お母様……!ディアナです、わかりますか……」


母親はディアナの手を強くにぎりかえし、目を見開いた。

必死の形相で、何かを伝えようとしていた。


「ディアナ………………わたしは…あなたに、言わな…ければ、ならない…ことが………」

「お母様!」

母親は何かを思い詰めていた。

まるで、もう命のカウントダウンが始まっていることに気付いているように必死だった。

恐ろしい幻覚にでも苛まれているかのようだった。


「あ…あなたは…ね………あの時…うちの………」


母親は、最期の一息を吸い込んで、眠りについた。


「お母様!!」

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