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運命に導かれて

第4章 秘密の恋

探偵は、王子が誰と会っているのかついにつきとめた。

最も“外側”に住まう娼婦だった。


王と王妃は、視線を見交わした。


どこの住人だろうと、どんな職業だろうと、王子が認めた女だ。

立派な育ちのどんなお姫様をも気に入らなかった王子が選んだ相手なのだ。

きっと、素晴らしい女性に違いない。

王も王妃も、そう思っていた。


「しかし、“外側”の、しかも娼婦などを嫁として迎え入れるなど、国民が納得しません!“中央”の反感をかいます!」

執事長は強い口調で言った。


「うむ…それも一理ある。しかし…もっと詳しくその女性のことを知らなければ判断はできまい。一度連れてこられはしないだろうか」

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