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運命に導かれて

第4章 秘密の恋

「ディアナ……」


「………はっ………オルフェウスさま…!助けて!」


ミアキスは「助けて」の言葉に反応して、そのまま逃げるように立ち去った。


走って、走って、走った。


「あの男」の計画は、失敗した。


これはある男にもちかけられた計画だった。


ディアナの相手の男は、オルフェウス王子だ。

王子は女遊びが好きで、身分の低い女をその気にさせて飽きたら捨てるのが趣味だ、お前があの女が大切なら、強引にでも奪うしかない。
そう言われた。

今夜王子はディアナをたずねる。
その時に、ディアナと結ばれているところを見せるようにすれば、王子も諦めるだろう。

そういう計画だった。


しかし、「助けて」と言われてしまっては、もうごまかせない。
自分はただひどいことをしただけの男だ。

逃げるしかなかった。


あの男、失敗したら命はないと言っていた。

彼は自分とディアナのために計画をたててくれたわけではない…あの男自身、王子がディアナと一緒になるのを阻止したかったんだ。

なぜ気付かなかったんだろう……


ミアキスは、身の危険を感じ、隣国に逃げこんだ。

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