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運命に導かれて

第4章 秘密の恋

「大丈夫ですか?な、何があったのですか!」


ディアナは泣き出して、オルフェウスの胸に飛び込んだ。


「わかりません………突然、あなたのことはあきらめろって……」


オルフェウスはディアナを強く抱き締めた。


「ああ………きっと彼は本当のことを知っているんだ……」


オルフェウスはディアナを離し、肩にしっかり手をおいた。


「ディアナ。落ち着いて聞いて欲しいことがあるのです。わたしはそのことを今日、話しに来たのです。だましてしまったこと、本当に申し訳なく思います」

ディアナは目をみはった。


オルフェウスは真剣な眼差しで、しっかりした口調で続ける。


「わたしは、本当は、王子です……あの時、あの病院で出会った時、咄嗟に嘘をついてしまいました。あなたが、他の男性に連れられていたのを見て…ショックだったのです。わたしはわたしでいることを嫌悪し、王子の友人を偽ったのです。どうか、お許し下さい………」


「オルフェウスさま………あなたは……王子様……?」


ディアナは頭がしびれていくのを感じた。
この人が王子様だったなんて。

あの時病院で出会った王子様。それが、彼だった。

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