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暗い少女は明るい少女?

第17章 修学旅行記3

しかし、出る時間になってもいない。船を出たところで点呼を取ったがいるはずがない。

「先生!菊川兄妹が居ません。」

学級委員が言う。

「菊川兄妹って2人とも?」

「はい。」

如月先生は僕たちを振り返って聞いた。

「菊川さんと一緒だった人は?」

僕と灰音が手を上げた。

「知らない?」

「はい。はぐれちゃったみたいで。」

灰音がうつむきながら答える。

「北条くんも?」

「はい。」

如月先生は、少し考え込んだ表情をして僕たちに言った。

「みんなはちょっと待ってて。あっ、水沢さんと北条くんは来てくれる?」

僕たちは先生に連れられて船に戻った。

「あのね、先生だけだと探すの大変だからね、仲のいい君たちに手伝ってもらおうと思ったのよ。」

先生はそう言った。

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