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暗い少女は明るい少女?

第38章 何が正解?

頬が痺れたためか声には勢いが無かった。

「『何すんだ』じゃないだろうが!俺が水沢さんのことが好きなの知ってるくせに。」

彼は誤解している。
文化祭の日、灰音が僕に縋り付いて泣いた時のことを怒っているのだろう。
それで灰音は僕のことが好きなのではないかと勘違いした。

「如月…。あのな…」

僕は本当のことを話そうとしたが言葉を切った。
ここで本当のことを話したらどうなる?
僕がここで黙っていたら純と如月の仲は壊れない筈だ。
かなり安易な考えかもしれないが僕のせいで2人の仲が悪くなるなんて嫌だった。
僕がここで悪者になっていれば傷つくのは僕だけで済む。
本当のことを話してしまった場合、傷つくのは僕だけじゃすまない。

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