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暗い少女は明るい少女?

第40章 原宿へ、上野へ

「環境の本で読んだことがある。乱獲により、減った生き物は多いって。このヨーロッパバイソンもそうだって。」

如月が言う。
僕はただ悲しくなってきた。

「柊一?」

純に呼ばれてハッとする。

「えっ?あっ、何?」

「柊一、そんな悲しそうな顔すんなよ。絶滅したって言っても、野生の個体全ての死亡を確認すんのは極めて難しいんだ。どこかで生きてる可能性だって0じゃない。」

そう、純はいつもそうだ。
可能性が極めて低くても、1%でも希望的確率があるなら良い方にかける。
良い方へ考える。
僕には真似出来ない。

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