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暗い少女は明るい少女?

第40章 原宿へ、上野へ

その後、僕たちは日本館という別館に行く。

「なあ、これって…」

2階の北側に来た時だ。
如月がある犬の剥製の前で足を止める。

「…秋田犬、まさか!」

純がプレートを確認する。

「やっぱり…“忠犬ハチ公”だ。」

「この子が…」

真っ白で賢そうな顔をしている。
僕は次の剥製を見てハッとした。
子供の頃に雑誌で見たことがあった。
そこにあったのは茶色いカラフト犬。

「これって…」

「間違いない。“南極物語”に出てくるジロだ。」

「マジか…」

如月がポカンと口を開けてる。
僕はただただ驚いていた。
ハチ公は毎日毎日、駅まで帰らない主人を迎えに行き、ジロはタロと共に厳しい南極の自然の中を生き抜いた。
僕はそんなところに生き物の神秘というものを感じた。

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