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暗い少女は明るい少女?

第46章 北条柊一という人物

9号館の裏に来た。

「み、水沢さん!」

私は足がすくんで動けなかった。
何故なら水沢さんは先輩らしき人たちに絡まれていたからだった。
そんな私の横をすり抜け、水沢さんの前に立ち塞がった人がいた。

「灰音に何してんだ!」

柊一くんが怒鳴った。
こんなに怒った柊一くんは珍しい。
驚いたと同時に少し切ない気持ちになった。
なんでそんな気持ちになったか私にも分からない。

しかし、柊一くんが来ても状況は良くなるどころか悪化した。
相手は4人。
柊一くんは痩せていて人と喧嘩するのに慣れていない。
いや、慣れていたとしても多勢に無勢。
逆にボコボコにされる可能性があった。

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